カルシウム・健康・食生活

-カルシウム-

-カルシウム(健康・食生活)は生命の源-
-カルシウムにまつわるお話-


                カルシウムと健康

                

                -深刻なカルシウム不足-




 カルシウムが不足すると血圧が上がり、カルシウムが不足すると、動脈硬化が
 促進します。カルシウム不足はストレス、アレルギー、痴呆、糖尿病予防にも
 関係します。

 (カルシウムの摂取不足からカルシウム欠乏になりますと、不足分は副甲状腺か
 らホルモン「PTH;副甲状腺ホルモン」が過剰に分泌され、骨や歯などからカ
 ルシウムが血液中に移行します。この時点でカルシウムパラドックスという血中
 カルシウム濃度の増大という状態になり、それらの余剰カルシウムは動脈や脳な
 どにも沈着する事があり、これがコレステロールや中性脂肪などと関与し、動脈
 硬化、高血圧、糖尿病や痴呆など生活習慣病の原因にもなります。)
 
 例えば、痴呆には大きくわけて、血管性痴呆とアルツハイマー型痴呆があります
 が、両方の患者さん共、カルシウム不足があげられています。

 一日摂取量が所要量の半分くらいのカルシウム不足の患者さんが多いそうですが
 カルシウム投与で経過観察した結果、改善される事例が多くある事がわかりました。
 軽〜中程度の患者さんにはある程度有効であることが、分かったそうです。

 また、カルシウム不足による神経細胞の情報伝達の異常もボケを進行させる原因
 になっていると考えられますので、カルシウムを、適切にとることにより、予防
 にも結びつくと考えられます。痴呆の原因は他にも考えられますが、カルシウム
 不足が、その一端を担っていると言う事になります。



 U型糖尿病(成人型糖尿病)にはカルシウムが関わる情報伝達が不可欠ですが、
 その情報を伝達する神経細胞にはカルシウムの細胞内外濃度差が重要です。
 血液中のカルシウムが不足すると、不足するカルシウムを副甲状腺ホルモンの
 分泌により、骨などから取り出しますが、結果的に、カルシウム濃度のバランス
 が崩れるのです。
 ですから、勿論カルシウム不足は、骨粗鬆症にも関係します。


 近年、カルシウムの摂取量と結腸癌との関係があるという研究報告が米国の
 某癌研究所から発表されました。日本人の大腸ポリープは4〜5mmのサイズで
 強度の前癌状態への変化が確認される場合や既に癌化のケースもありますが、
 米国では1、5〜2cmあっても日本人の1/5にも満たず、前癌状態、癌化の
 ケースが確認されております。米国の土壌や水に含まれるカルシウムの量の差が
 原因と考えられています。


               -カルシウムの働き-
 
 カルシウム不足という骨粗鬆症・ヘルニア・ぎっくり腰・骨・歯と言うところ
 が連想されますね。

 ですが他にも重要な働きがあります。白血球やリンパ球などの免疫系の働きを助ける
 事、脳・神経系の情報伝達をする、血液を凝固させる、筋肉の弛緩/収縮を制御
 する、ホルモンの分泌、酵素の働きを助ける、など生命の維持に比類ない働きを
 しています。

 カルシウムは30歳前後からどんどん失われます。適切な食事や運動など普段の
 健康志向や積み重ねが差となります。

             -直面する前に知ろうカルシウムの事-





           -日本の風土ではカルシウムが不足する-

 日本は火山国です。動物の骨や貝殻が堆積して出来る石灰岩が少なくそのためカ
 ルシウムは土壌中に少なく、また降雨量が多くても雨水は比較的早く海に流れて
 しまいます。日本の作物や野菜中のカルシウム分は少なく飲料水中にも同様のこ
 とがいえます。先進国中でもカルシウム摂取量は最低となっております。

 日本は世界で一番の長寿国と言われていますが実は、乳児の死亡率が医学や、国
 保の制度などで減っているため平均寿命が延びているといわれます。栄養や、健
 康状態などとは関係が無い様でして、不健康な寝たきりの状態で長生きとは形容
 しがたいことでもあります。しかも、100歳以上の生存率を見るとアメリカと
 比べてはるかに少ない様です。

 ところで、日本のナスやキュウリの種子をアメリカに持っていって植えると日本
 で作っている大きさより大きく、アメリカサイズになるそうです。土地の栄養成
 分の含有量の差であると考えられます。それは野菜の成分含有量に見ることが出
 来ます。例えばほうれん草はカルシウムはアメリカ、ドイツなどでは日本のほう
 れん草の5〜6倍含有する。ビタミンやミネラルもその可能性があり、水をふく
 めビタミン、ミネラルの摂取量の差になっておりそれがアメリカ人の100歳以
 上の長寿に関係があると考えられます。水、野菜、果物を作っている土壌の中の
 微量ミネラル、ビタミンの量が寿命、老化、種々の病気に関係がある、あるいは
 予防に関係がある可能性を物語っております。アメリカの大地には健康維持と長
 寿に不可欠な栄養分が非常に豊富にあるというわけです。

 精神科領域ではうつ病などの感情障害の発症に細胞内カルシウムイオン調節異常
 が関与しているという報告もあります。カルシウムの欠乏が直ちに精神機能に影
 響を与えるとは言い切れないが、神経細胞内のカルシウムイオンの調節が許容を
 超えると影響が出るという事のようです。

            -日本人は骨細か?カルシウムを熟考しよう-





               -カルシウム吸収率-

 カルシウムの一日に必要な量
は500〜900mg/子供、600mg/成人、
 1000mg/妊婦、1200mg/老人くらいです。

 一方カルシウムの
吸収率は75%/子供、30〜40%/成人、50〜60%/妊
 婦、20%以下/老人です。

 カルシウムの吸収は同じ食べ物でも、年齢、摂取カルシウムの形態、同時に摂取
 する食品、消化管ないPH、腸管吸収部位、で異なります。又、生体のカルシウ
 ム必要度、栄養状態、健康状態、年齢、情緒状態、身体活動状態、服薬の有無な
 どにも影響をうけます。



 * 微量元素の重要性;「農作物を食べることはホウ素と珪素を摂取している事でも
 ある」とする報告があります。人体に不可欠な元素に亜鉛などがありますが、ホウ
 素と珪素もその重要性が、最近注目されております。@男性や閉経前の女性では、
 珪素摂取量が多いほど、骨が良く形成され、骨密度が高くなる。(米国フラミンガム
 の30〜87歳の住民2800人調査。 骨盤と大腿骨の骨密度を調べた。効果はカル
 シウムの2倍)Aホウ素は閉経後の女性ホルモンを高く維持し、高齢者の脳を活性
 化する基礎データが揃っている。この両元素の摂取は、作物に頼らざるを得ない。

 植物と人に含まれる元素濃度を調べると、カルシウムや鉄などはそれ程変わらなか
 ったが、ホウ素は植物がヒトの140倍、 珪素はヒトの35倍とその差は極めて大きか
 った。珪素は土壌中に多く、穀物に大量に含まれる。明治時代に乳製品の摂取が少
 ない日本人に骨粗鬆症が少ない事は、 長年の謎であったがその理由が判明したわ
 けです。また、近年、ホウ素は植物でホウ素を取り入れる膜蛋白質のトランスポータ
 ー(輸送体)の発見と、 ホウ素トランスポーターの発見によりその重要性が解明され
 てきました。その後、2004年に米国の研究者が、ヒトにもホウ素トランスポーターを
 発見しその必要性の一端が解明されました。従い、「農作物を作る場合も、有機栽培
 の堆肥ばかり(微生物の作用で元素が溶けない形になる)ではなく、土壌改良などで
 ミネラルを補給する必要がある」とも指摘しています。




 * 石灰沈着;カルシウムの摂取不足からカルシウムが欠乏しますと、不足分を補うた
 めに、骨から血液中にカルシウムを余分に放出します。

 カルシウムパラドックスはカルシウムの不足が原因で、 結果的に血中カルシウムを
 増大させてしまう事ですが、この余ったカルシウムが、動脈や脳に沈着し、石灰化を
 起こすとされています。

 この事は動脈硬化、高血圧、痴呆、糖尿病などの原因になると考えられております。
 (冒頭にお話させて頂いております。石灰沈着として再度掲載させて頂きました。)




               -問題です、カルシウム吸収率-




               -背骨のカルシウム異常-

 若い女性のマラソンランナー、長時間ジョギング、エアロビクス、ハードなテニス
 プレイヤーなどは、脊椎からカルシウムが失われて行くそうです。ある調査では
 24〜37歳の女性で一週間に40km走る人は、同年代の走らない人より脊椎
 のカルシウムは2倍のロスをするそうです。

 脊椎のカルシウムが不足すると椎骨の椎体がやせてもろくなったり、変形したり
 します。こうした脊椎はレントゲンでは影が薄くなったり、ぼやけて見え、また
 椎間板は弾力性を失って硬くなり破裂すると椎間板ヘルニアになります。さらに
 周辺の靭帯や筋肉、神経細胞の柔らかい組織にも悪影響がひろがります。

 椎骨の異常はカルシウム不足、カルシウム沈着が原因のようです。

 椎骨の脊髄が通る箇所は椎孔と呼ばれ、脊髄神経が通るところは椎間孔の呼ばれ
 ます。脊椎にゆがみが生じたり、椎間板ヘルニアになるとこの孔が狭められ、脊
 髄や脊髄神経が圧迫されて痛みや障害があらわれます。

 年齢を経るとカルシウムは不足しがちになります。それは腸からのカルシウム吸
 収力が落ち、又、食事の量が必然的に減る(カルシウム絶対摂取量が減る)ため
 です。30歳を境にカルシウム吸収力が落ちるのですから、相応な日頃の努力が
 必要になるでしょう。だからといって必要以上に摂り過ぎるのは危険です。

                
 -摂り過ぎは危険です-

 摂取は一度に沢山摂るより、食事の時に3回に分けるなどして過剰にならない様に
 工夫してとる必要があります。

 摂り過ぎると便秘、吐き気、食欲不振、腹部膨満感などが起こったり、腎機能の
 悪い人は腎臓結石などもひきおこします。サプリメントなどで摂取する場合は
 医師と相談したほうが良いかも知れません。節度とバランスが必要ですね。

              -椎骨は人の要、カルシウムは生命源-




               -カルシウムバランス-

 一億個/骨、一万個/血液、一個/細胞 これがカルシウムバランス。存在する場
 所のカルシウムの比率は生命維持に重要です。この濃度差を守るために細胞には
 カルシウムチャンネルという仕掛けがあります。細胞内に出入りするカルシウム
 を制御します。

 この濃度が制御されていないと細胞は電流の刺激を感じられず、情報伝達が円滑
 に進まなくなります。そのため血液中には一定のカルシウム量が必要で、心臓や
 脳の働き、筋肉の収縮、ホルモンの分泌、血液凝固など生命維持にかかせない働
 きをしています。

 血液中のカルシウムが減ると 骨からのカルシウムがそれを補うために必要量が
 溶けだし、骨内のカルシウム量が減少します。

 血中のカルシウム濃度が何らかの要因で、急激に増加すると心筋の収縮力が強く
 なりすぎ、心臓に直結する冠状動脈が圧迫され血液の循環が停止してしまい心筋
 梗塞、狭心症を引き起こしたりします。以下はカルシウム濃度調整関連ホルモン
 です。

 
副甲状腺ホルモン/骨からカルシウムを溶かしだして血中に放出、腎臓から血中
 カルシウムが再吸収されるのを促進する働きもある。さらにカルシウムを細胞の
 外から中に入れる働きもあります。

 
甲状腺ホルモン/血中の余分なカルシウムを骨の中に吸収させる働きがある。

 
活性型ビタミンD/腸などの消化器でカルシウムの吸収を助ける。副甲状腺ホル
 モンの働きによって腎臓でつくられます。

 
エストロゲン/女性の更年期から骨の障害が目立ちますが、閉経後このホルモン
 が分泌されなくなり骨からカルシウムが出て行きやすくなります。


             -カルシウムバランスが生体をコントロール-




            -免疫機能強化に関与するカルシウム-

 白血球の仲間には中性嗜好性多核白血球、単球、好中球、好酸球、好塩基球、リ
 ンパ球などがありますがリンパ球は全身のリンパ腺や脾臓に蓄えられて免疫細胞
 の中核をなしています。ウィルスなどを破壊する重要な役割を果たしますが、そ
 のアメーバー様運動はカルシウムの力と細胞内骨格の力です。

 白血球が抗体や過酸化物を作って異物を破壊するためにもカルシウムが必要です
 。又、白血球が異物に関する情報を交換するためにはサイトカインという物質が
 使われますが、この物質の分泌に関与しているのもカルシウムです。

 体内カルシウムが不足しカルシウムバランスが崩れると白血球の動きも悪くなり
 、免疫機能も低下します。


              -免疫力は防疫の要、カルシウムが要-




              -やっぱりカルシウムは食生活-


 現代はファーストフード、加工食品、ジャンクフード、インスタント食品その他
 様々な便利食品、手間要らず食品、が出回っています。それらの食品の添加物を
 確認する習慣も必要です。それらには様々な添加物が記載されていますが、その
 中にリン酸塩という記述が多く見受けられます。

 このリン酸塩は、カルシウムと結合してその結合物を体外に排出します。又、過
 剰なリンの存在はカルシウムの吸収を妨げ、カルシウムの働きを阻害します。副
 甲状腺ホルモンの分泌にも影響があるようです。リン酸塩だけが問題ではありま
 せんが、ことカルシウムに関しては特にこのリン酸塩が問題になります。

 体の弱い人や敏感体質の人、健康志向のしっかりした人、病弱、骨に関係のある
 障害のある人、乳幼児、妊産婦等々、日頃の食品に対しての様々な配慮や努力が
 求められるといえるでしょう。

 リンは骨格、骨、歯の形成に必要なミネラルですし、体の細胞の増殖、心臓の収
 縮、腎臓機能にも重要なミネラルです。一般には
カルシウムの豊富な自然食品な
 ら、同時にリンの摂取も満たされる
といわれますのでリンの欠乏に気をとられる
 必要もありません。


               -健全な食生活が健全なカルシウムの源泉-







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